高齢者にとって平屋はバリアフリー設計がしやすく、安全安心に暮らせる住まいとして人気があります。
階段がないため転倒リスクが少なく、移動もしやすいのが大きなメリットです。
しかし、快適に過ごすためには、段差をなくす・手すりを設置する・生活動線を工夫するだけではありません。
本記事では、高齢者が安心して暮らせる平屋の間取り実例を紹介するほか、高齢者が平屋を選ぶメリット・デメリットなどを解説します。
老後に向けて、家の新築を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
高齢者に平屋が向いている理由は?高齢者が平屋を建てるメリット5つ
高齢者が平屋を建てるメリットは以下の5つです。
順に解説していきます。
将来の介護を見越した設計が可能
高齢者が平屋を建てる最大のメリットは、将来的な介護を見越したバリアフリー設計が可能な点です。
例えば、段差をなくしたフラットな床や、広めの廊下・ドア幅を確保することで、車椅子や介助が必要になった場合でもスムーズに移動できるでしょう。
また、高齢者になると夜間のトイレへの移動回数が増える傾向にあるため、寝室とトイレ・浴室を近くに配置することで、移動の負担を軽減できます。
歩行が難しくなったとき用の手すりの設置や引き戸の採用など、日常生活を安全かつ快適にする工夫を取り入れやすいのも平屋の魅力。
介護が必要になったときにリフォームしやすいことも大きな利点となり、長く住み続けられる安心の住まいを実現できます。
お互いの安否を確認しやすい
平屋はワンフロアで生活が完結するため、家族同士の気配を感じやすく、安否確認がしやすいのが大きなメリットです。
特に高齢者の単身世帯や夫婦二人暮らしでは、万が一の事故や体調不良が起きた際、すぐに異変に気づける環境が重要。
2階建てのように上下階で分かれていると、転倒や発作が起きても発見が遅れるリスクがありますが、平屋ならリビングや寝室からの距離が近く、すぐに声をかけ合えるため安心です。
ホームセキュリティや見守りシステムと組み合わせることで、より安全性を高めることができるでしょう。
生活導線が短くメンテナンスしやすい
高齢者は毎日の家事や掃除を負担と感じることが多いため、生活動線が短くメンテナンスをしやすい平屋はうってつけと言えます。
平屋は上下移動がなく、キッチン・浴室・トイレ・寝室などがまとまっているため、生活動線が短く効率的。
また、2階建てでは屋根や外壁の点検・修理に足場が必要ですが、平屋なら低い位置でメンテナンスができるため、費用や手間を抑えられるのも利点です。
無理なく快適に暮らせる間取りを実現しやすいのが、平屋の大きな魅力です。
ランニングコストを抑えられる
平屋は冷暖房の効率が良く、光熱費を抑えやすいというメリットがあります。
2階建ての場合、夏は2階が暑くなりやすく、冬は1階が寒くなりがちですが、平屋なら上下の温度差がなく、エアコンや暖房の効率が向上します。
また、外壁や屋根の修繕費用も2階建てに比べて低く、長期的なランニングコストを抑えられます。
シンプルな構造のため、将来的なリフォーム費用も抑えやすく、経済的に優れた選択肢と言えます。
耐震性高い家が建てられる
地震が多い日本では、家の耐震性も重要なポイント。
平屋は構造がシンプルで重心が低いため、2階建てに比べて地震の揺れに強く、倒壊のリスクが低いというメリットがあります。
また、耐震補強をする場合でも、柱や壁のバランスを取りやすく、安全性を高めやすいのが特徴です。
将来的に地震のリスクを考慮すると、耐震性に優れた平屋は、高齢者にとって安全で安心な住まいとなります。
高齢者が平屋を建てるデメリット3つ
高齢者が平屋を建てるデメリットは以下の3つです。
1つずつ解説していきます。
好条件の土地が見つかりづらい
平屋はワンフロアで広い面積を必要とするため、十分な広さの土地を確保することが難しい場合があります。
特に都市部では、土地の価格が高く、理想的な敷地を見つけるのが困難。
また、周囲に建物が密集していると、採光や通風の確保が難しくなる可能性もあります。
高齢者向けの利便性を考えると、病院・スーパー・公共交通機関へのアクセスの良い土地が求められるため、より条件が厳しくなることもあります。
平屋を建てる場合は、土地の形状や方角、周辺環境をしっかり調査し、将来的な暮らしやすさを考慮して選ぶことが重要です。
防犯性が低くなる可能性がある
平屋は平屋ではすべての窓が侵入経路となるため、防犯対策をしっかり行う必要があります。
人目につきにくい裏側や庭に面した窓は、空き巣に狙われやすいポイントのため、防犯ガラスや面格子の設置、センサーライト、防犯カメラの導入が効果的です。
また、周囲の環境にも注意し、隣接する建物や道路からの視認性を高め、防犯性を向上させる工夫をしましょう。
採光や通風に工夫が必要
平屋は横に広がる構造のため、間取りによっては部屋の中心部が暗くなりやすく、日中でも照明が必要になることがあります。
また、奥行きのある間取りや周囲に高い建物があると、風の流れが遮られることも。
対策として、窓の配置を工夫する(風の通り道を確保する)、吹き抜けや高窓を設ける、中庭や天窓を活用するなどの方法があります。
特に、対角線上に窓を設置すると風が通りやすく、ハイサイドライトを取り入れることでプライバシーを守りつつ採光も確保できるでしょう。
都市部では隣家が近く採光や通風の工夫がより重要になるため、敷地条件に応じた設計が求められます。
このように、採光・通風・断熱を考慮した設計が、快適な平屋生活のポイントです。
高齢者が平屋を建てるときのポイント3つ
高齢者が平屋を建てるときのポイントです。
上記3つを解説していきます。
安全性に配慮した設備や機能を採用する
高齢者が平屋を建てる際は、床の段差をなくしたり、手すりを設置するなどのバリアフリー設計を取り入れ、安全性を高めることが重要です。
また、室内で転倒したときのことを考え、玄関や浴室は開閉しやすい引き戸を採用すると、ドアが開かなくなるリスクを防げるでしょう。
高齢になると夜間トイレ回数が増える傾向にあるため、室内の移動を安全にする足元灯や自動点灯する照明を設置するのも効果的です。
安全に暮らせる工夫を取り入れることで、将来的に介護が必要になった場合でも安心して暮らせる住まいになります。
断熱性が高く部屋ごとに寒暖差のない設計にする
高齢者にとって家の中の温度差は、健康リスクに直結するため、断熱性の高い建材を使用して部屋ごとの寒暖差を少なくすることが重要です。
特に冬場は、暖かいリビングから寒い浴室やトイレへ移動することで、急激な温度変化による『ヒートショック』のリスクが高まります。
『ヒートショック』を防ぐためには、高気密・高断熱の住宅設計を採用し、家全体の温度を一定に保つことが大切。
また、断熱材にこだわるだけでなく、床暖房や全館空調を導入することで、効率よく室温を管理できるため、高齢者が安心して暮らせる住環境を実現できるでしょう。
収納スペースを工夫する
高齢者にとって、無理なく整理整頓できる収納スペースの確保は、快適な生活を送るために重要なポイント。
高い位置の収納は荷物を収納するときに転倒したりするリスクが高まるため、腰から胸の高さに収納を配置すると、無理なく物を取り出せるでしょう。
そのとき、引き出し式の収納やスライド棚を活用すると、奥の物も取り出しやすくなり、かがむ負担を軽減できます。
頻繁に使う物は出し入れしやすい場所に、季節用品などは少し奥まった場所に収納するなど、用途に応じて収納場所を考慮することも大切です。
上記のような工夫を取り入れることで安全性と利便性が向上し、高齢者にとってより快適な住環境になります。
高齢者が住みやすい平屋の間取りを紹介
高齢者が住みやすい平屋の間取りを紹介します。
ぜひ紹介した間取りを参考にしてみて下さい。
【16.9坪】収納十分な1LDKの平屋
高齢世帯の夫婦が快適に暮らせるコンパクトな間取りです。
一番の特徴は広めの玄関土間で、靴や掃除道具、アウトドア用品などを整理しやすく、玄関周りをすっきり保てるでしょう。
さらに、LDKにも収納があり、頻繁に使う物をスムーズに出し入れできます。
室内は寝室が1つのため、お互いの安否を確認しやすいのも高齢者夫婦には安心できるポイント。
お互いの気配を感じながら暮らしたいという方にぴったりです。
一方で、寝室からトイレが遠いため、夜間の移動時に転倒のリスクがある点がデメリットと言えるでしょう。
全体的にシンプルな動線でスッキリとした暮らしが可能な設計ですが、安全面を考慮し、手すりの設置やポータブルトイレの活用などを設置するとより安全性が向上します。
【21.2坪】孫たちも泊まれる2LDKの平屋
高齢夫婦が暮らしやすいコンパクトで機能的な設計が特徴の間取りです。
2部屋あるうちの1部屋は8.5畳と広々しており、例えば、孫たちが泊まりに来ても快適に過ごせるでしょう。
収納面も充実しており、各部屋にクローゼットが備わり、さらに物入れが3か所あるため、日用品や季節用品を整理しやすい設計です。
また、玄関が中心に配置されたコの字型の間取りで、各部屋への動線がスムーズ。
生活のしやすさと収納力を兼ね備えた、高齢夫婦に優しい住まいです。
【21.0坪】プライベート空間もしっかり確保できる2LDKの平屋
コンパクトながらもプライベート空間をしっかり確保した2LDKの間取りで、17.0帖と広いLDKは家族がゆったりと過ごせる開放的な空間になっています。
2つの洋室(各6.0帖)はお互いが独立した配置になっており、夫婦や親子、ゲストが快適に過ごせる設計です。
玄関には土間収納があり、靴やアウトドア用品などを整理しやすいうえ、ホールには物入れがあり、収納スペースも充実しています。
機能性と快適さを兼ね備えた、暮らしやすい間取りなのではないでしょうか。
高齢者が平屋を建てるなら伸和建設株式会社がおすすめ
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 伸和建設株式会社 |
住所 | 三重県名張市桔梗が丘2番町5街区68番地 |
創業年数 | 1973年9月 |
公式サイト | https://hiraya-ie.com/ |
高齢者が平屋を建てるなら伸和建設株式会社がおすすめです。
伸和建設株式会社は、奈良県・三重県を中心に施工を手がける、50年以上の歴史を持つ信頼できる住宅メーカー。
創業以来、2,000棟以上の住宅を建築し、地元の方々に選ばれ続けています。
1,000万円台というリーズナブルな価格で高品質な住まいを提供できることから、高齢者の住宅づくりにも向いていると言えるでしょう。
平屋は高齢者にも安全で過ごしやすい間取りが実現できる
階段の上り下りがなく、水回りなどの家事動線がコンパクトに配置できる平屋は、高齢者にとって安全で過ごしやすい空間と言えます。
将来の介護を見越してスロープを付けたり、手すりを設置するなどバリアフリーに対応しやすい点もメリット。
間取り実例も解説しましたが、今回紹介した間取りにとらわれず、寝室に長い時間いる方は寝室を広くとるなど、実際に住んだときのイメージを膨らませることが重要。
安全安心に過ごせるよう、間取りを工夫しながら家づくりを進めていきましょう。